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Web/紙面連動企画 「市場を掘り起こせ 〜Anagran特集〜」
第4回:「フロールータ導入例 〜米国国防総省研究機関による検証〜」 | パケットルータにはない、さまざまな機能を持ち合わせているフロールータ。多種多様なトラフィックが流れる昨今のネットワーク事情を背景に、フロールータの優位性は評価されつつあり、興味を示したり導入を検討する動きが出始めている。
国防総省高等研究計画局(DARPA)は、TCPのパフォーマンス劣化(TCPスロースタート)を解消することを目的に、次世代IPフロールータを開発したアナグラン社と、複数年の開発アウトソーシング契約を締結した。
| | (図)TCP/IPを使用したセキュアなサテライトリンクアプリケーションの流れ、(図)QoSシグナリング技術を用い32Mbpsの伝送速度保証の許可を得て1MBのページング処理のTCPデリバリー時間を大幅に短縮した様子 | DARPAは1957年の旧ソ連が最初の人工衛星スプートニクを打ち上げたことに危機感を抱き、軍事利用可能な科学技術で先行するために設立された研究機関。インターネットの原型となったARPAネットを作ったことでも有名である。また、TCP/IPは、米国防総省の資金援助によるネットワークプロジェクトDARPANETで開発されたネットワークプロトコルでもある。国防総省では、全世界の防衛網を網羅するさまざまなネットワークで諜報活動を行う上で、情報収集の効率化を課題の1つとしている。
一方、アナグラン社は、インターネットの父と呼ばれるローレンス・ロバーツ博士が次世代IPフロールータの開発を目的に設立した会社だ。
・アナグラン社製品の利用が前提 今回の契約により開発されるのはTCPスロースタート解消プログラムだ。通常、ネットワークへの送信を開始する際、ネットワークの輻輳を回避するため、ゆっくりとネットワークに探りを入れることをTCPに要求する。これにより「TCPスロースタート」が行われ、TCPアプリケーションでの通信アクセスレスポンスを劣化させてしまう。
これは現状直面する大きな課題である。 DARPAでは当初、エラーや遅延がほとんど起こらない通信速度56キロビット/秒の光ファイバネットワークで、TCPスロースタートが設計・検証された。その後、キューのサイズが廃棄閾値を超えるとランダムにパケットを廃棄させる「WRED(Weighted Random Early Detection)」機能がパケットルータには実装された。しかし、パケットが廃棄されることによって、TCPを使用するアプリケーションではパケットの再送とトラフィック量を減らすことができたものの、TCPスロースタートの問題は解決しない。そこで、DARPAは、TCPスロースタート解消プログラムを実行するために選択したのがフロールーティング技術。とくに同プログラムではアナグラン社のフロールータを利用することが前提条件となっている。
・転送時間は最大20分の1に短縮 フロールータはネットワークのエッジ・ツー・エッジに配備。その間のネットワーク回線で転送可能な最大速度を送信する前に、QoSシグナルと呼ばれる制御パケットを送受信・確認した上で、その転送速度でトラフィックをフロー送信できるため、トラフィックの渋滞やパケットの不正といった障害は解消されるという。
また、アナグラン社フロールータのQoSシグナリングプログラムを使うとことで、小さなサイズのファイル(ウェブページのような)の転送時間は、6-10秒から0・1-0・6秒に短縮され、ネットワーク上での遅延やエラー回数によっては10分の1から20分の1まで改善ができるようになる。概ね、米国を横断する光ファイバーネットワークでは1/10、通信衛星と無線リンクを使用した場合(国防省での要求条件)では1/20以上の改善を実現する。
アナグラン社CEOのローレンス・ロバーツ博士は、「フロールータと組み合わせたTCPスロースタート解消プログラムはDARPAにとって重要で、とくに米国海軍で母艦と通信衛星と無線ネットワークをクローズしたネットワーク回線では有効である」とフロールータの有用性を語る。よりきめ細かくデリケートなトラフィック管理が求められるDARPAのようなケースで、フロールーティング技術は効果を発揮する。
第5回: 「フロールータ 〜FMCやVODを視野に実証実験〜」へ
※本記事は、株式会社 電経新聞社発行の「電経新聞」06年03月27日付記事を転載しております。 株式会社電経新聞社へのリンク |
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