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Web/紙面連動企画 「市場を掘り起こせ 〜Anagran特集〜」
第6回:「フロールータ 〜海外の業界団体もワーキンググループで検討開始〜」 |
普及に向けて動き出しているフロールータだが、フロールータ市場の現状はどのようなものなのか。また、フロールータは将来的にどのような世界を作り出すのだろうか。
現在、フロールータを開発しているのは、ともに米国のアナグラン社とカスピアン社の2社。両社ともに「インターネットの父」と呼ばれているローレンスロバート博士だ。カスピアン社でフローのコアルータを開発し、その後、ローコストなフローのエッジルータを開発するためにアナグラン社を設立した。この2社以外にフロールータを開発しているベンダーは、いまのところない。
フロー処理の考え方はいくつかの製品で実現されている。例えばシスコシステムズ社のNetflowやジュニパーネットワークスのJ-Flow、あるいはネットワーク上でのアプリケーショントラフィックを検知するIPS(不正侵入防御)と呼ばれる製品である。大手ベンダーは、すでにパケットルータで大きなシェアを獲得していることもあり、まずはこのフロールータの動向を静観している状況だ。ただ、ITU―TやESTI/TISPANのNGNワーキンググループ(WG)では、フロールーティング技術の検討が始まっており、フロールータ市場が一気に幕明けしそうな予感はある。
・料金課金に効果、詳細ニーズに対応
世界的に共通する通信事業者のニーズとして、ブロードバンドサービスの新規顧客獲得増大に向けたマルチメディアサービスの差別化がある。NGNでのIMS(IP Multimedia subsystem)、FMCといったサービスで、基本的にQoS管理が重視されており、フロールータを導入する通信事業者がその効果を現実のサービスで実証できれば、普及のスピードは加速するだろう。
パケットルータで付加できなかった情報をフローステートとして付加できる。今後、フロールータが普及していけば、フローに付加されるさまざまな情報をもとに、誰がどのくらいのデータを何処に送ったかを詳細に分かるようになり、きめ細かい課金が可能となる。計算した料金もフロー情報として付加できるため、サービス毎に細かい料金設定が可能になるだけでなく、多種多様のサービスを提供できるようになる。FTTHの普及などにより、今後トラフィック量が増大することは必至。ネットワークを効率的に利用し、さまざまなサービスを提供することは、通信事業者の戦略上不可欠で、エンドユーザにも多くのメリットをもたらす。
・「フロー」と「光」で理想の網構築
コアに光スイッチ、エッジの部分にフロールータを置くネットワークが、現在考えられている理想の形だ。光スイッチを設置したバックボーンでは、「光」のままで高速にデータ転送し、フロールータで流れるトラフィックを詳細に管理する。トラフィックをスムースに行き来させるフロールータ部分は、高速道路に例えるならETCを導入した料金所の役割である。これにより、より効率的で品質の高いサービスを提供することが可能になる。
アナグラン社とフロールータの総販売代理店契約を結んでいるテリロジーの新美竹男取締役新事業開発室室長は「今後数年以内にフロールータと光ネットワークの普及が進めば、まったく新しいネットワークのパラダイムに変貌する」と分析する。理想のネットワークの世界になったとき、インターネットはもう一段レベルの高いサービスに生まれ変わることができるだろう。
※本記事は、株式会社 電経新聞社発行の「電経新聞」06年04月03日付記事を転載しております。 株式会社電経新聞社へのリンク |
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