高まる在宅勤務の必要性

在宅勤務の導入背景の変化
企業のワークスタイルは、パソコンやスマートフォンなどのデバイス、インターネット回線の高速化と接続ポイントの増加などによって、社内、社外を問わず大きく変わりつつあります。
在宅勤務はその代表例として上げることができます。
家族の育児や介護を背景に、あるいは社員の生産性の向上を目指して、在宅勤務が取り入れられつつありました。
しかし、2009年のインフルエンザ流行や3月の大震災の教訓を元に、BCP(事業継続計画)の観点でのニーズが高まっています。 また、オフィスフロアの稼働面積を減らすことで、照明や空調、パソコン機器などの電力消費量を削減できます。
今、各企業では、有事の事業継続性と平時の利便性・生産性向上の両立を目的として、在宅勤務を始めとするさまざまなワークスタイルが再検討されています。
当社の取り組み
当社では、業務効率を向上させることを目的として、2008年からワークスタイルの改善プロジェクトを行ってきました。
効率的なオペレーション環境の整備、またメンバー同士、あるいはお客様とのコラボレーションの頻度を上げることを中心に、下記を例とした様々な施策を実施してきました。
- 外出が多い社員(営業職・技術職)に対し、ノートPC、モバイルデータカード、PHSを配布
- インターネットからの社内サーバへの接続用にVPN環境を構築
- オフィスのフリーアドレス化
- それに伴い、プレゼンス情報の表示と、インスタントメッセージの利用が可能なアプリケーションの導入
- お客様との打ち合わせ用にテレビ会議システムを導入
- モバイル環境でも充分なパフォーマンスを発揮できる別のテレビ会議システムを平行稼働
これらの取り組みは同時に企業としてのBCPを高めることにも繋がりました。3月11日の震災以降、数日間は停電による交通機関の麻痺が各所で発生しました。この時、出社が困難な社員については在宅勤務に切り替える旨を通知され、多くの社員が自宅から業務をこなすことができました。

在宅勤務の活用事例
震災から週が明けた3月14日、当社保守契約ユーザ様に「当社が保守サービスを継続をすること」、「当面の保守サポート体制」について告知する必要がありました。
しかし、交通機関の混乱などは依然続いており、在宅勤務を余儀なくされた社員も大勢おりました。
このような状況の中で業務遂行が可能であったのは、既に導入されていた在宅勤務ソリューションによるものでした。
保守担当者
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告知担当者
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メンバー同士のコミュニケーション
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各社の在宅勤務への取り組み
当社の取り組みはほんの一例であり、多くの企業で在宅勤務が導入されつつあります。
| 某ネットワークインテグレーション事業者 | 自宅や外出先からでも会社のパソコンと同じ環境を利用出来るよう、仮想デスクトップシステムを導入。また、社員がほぼ自由に在宅勤務を行えるように社内制度を変更。 |
| 某語学スクール | データサーバの破損リスクや計画停電を見据え、クラウド環境にファイルサーバをアウトソーシング。それに伴い、社員が外から業務ファイルにアクセスでき、在宅勤務にも対応。 |
| 某自動車周辺製品業者 | 小学校3年生までの子を養育している者等、いくつかの条件を満たした従業員に対し、週の50%までの在宅勤務を承認。 |
| 某繊維業者 | 夏の最大電力削減のため、自宅のパソコンで会社の情報システムが利用出来る機器を社員に配布し、在宅勤務環境を整備。 |
| 某マーケティング業者 | 在宅型コールセンターサービスの事業化を視野にいれた実証実験を実施中。 |
在宅勤務を実現するために(導入課題)
在宅勤務の導入段階では、企業活動に必要な業務プロセスを、在宅勤務に適した形に変えていくという作業や、在宅勤務に必要な社内インフラや社内ルールの整備が必要となります。
以下に社内インフラや社内ルールの整備すべき主要な項目を明記します。

特にシステム面に注目したとき、多岐に渡るサービスからどのように選択していくのかが課題のひとつになります。
接続性の確保
自宅、あるいは外出先で業務を行う場合、メールのチェックを始めとしてインターネットへの接続環境が前提と言えます。選定に当たって必要になるのはどこから繋いでどのようなサービスを利用するのかという視点です。
総務省の調査では、家庭へのブロードバンド回線利用割合は77.9%と推定されています(総務省:平成22年通信利用動向調査の結果より)。これは多くの家庭において在宅勤務に必要となるインフラが普及しつつあり、導入が容易になってきている一因と言えます。
しかし、各家庭において利用している通信環境は一定ではなく、在宅勤務に必要とされるサービスの帯域や接続時間とのギャップが発生する可能性が考えられます。また、自宅においてインターネット環境を持たない社員がいることも考慮すべきであり、それらを踏まえた通信環境を整備することが企業の課題となります。
一方、モバイル通信インターフェースを利用すれば、ネットワーク環境が整備されていない場所でもインターネットへ接続、社内ネットワークとの通信が確保出来ます。アクセスポイントの普及度合いによる接続可能なエリアと、業務に必要な通信データ量、それらを含めた維持コストなどを検討してサービスを選択する必要があります。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 自宅回線 | 既存の回線を利用してもらうので、企業側で準備の必要がない | 品質、速度が一定ではないので、共通のサービスを提供しにくい |
| モバイル通信 | 屋内/屋外で場所を問わず利用出来る 導入、社員への配布が容易 |
サービス提供エリア外では利用できない |
社内ネットワークへの安全な接続
社内ネットワークに接続するためには自宅や外出先からインターネットを経由することになります。しかしながら、セキュリティやコンプライアンスへの対応のため、社内システムは社内でないと接続できなかったり、PCの持ち出し禁止といった制限をかけざるを得ない環境も多く存在します。社内で定められたセキュリティ規約に沿って通信のセキュリティを確保する必要が有ります。
セキュアなネットワーク接続については、通信を暗号化するVPN(Virtual Private Network)と、認められた社員のみが社内ネットワークへ接続できるID/パスワード認証の併用が主流です。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| IPSEC | 利用出来るアプリケーションの制限が少ない | 社員の自宅PCなどにも専用ソフトウェアのインストールなどの環境整備が必要 |
| SSL-VPN | PCに対して特別なソフトウェアのインストールなどが必要なく、ブラウザがあれば利用出来る | アプリケーションやプロトコルによっては通信できないものもある。 |
社内のデータを外部に漏洩させない
在宅勤務で利用するパソコンの形態によって選択肢は2つあります。
1つは『通常のパソコン』を利用することであり、情報漏洩対策のためにウイルス対策やパーソナルファイアウォール、ハードディスクの暗号化などの情報漏えい対策を取る必要があります。ハードディスクの暗号化は、ここ数年でパソコンの盗難や紛失発生時の対策として急速に普及しています。
もう1つはパソコン本体にデータを保存しないシンクライアントを利用することです。こちらは通常のパソコンを利用する場合のようなセキュリティツールを装備する必要はありませんが、従来のパソコンからの移設が必要なために全社導入に要するコストは膨大になる可能性があります。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ウイルス対策 (必須) |
何らかの対策ソフトはインストールし、常に最新のパターンファイルにアップデートしておく必要がある | |
| パーソナルFW (必須) |
モバイルや自宅環境ではセキュリティが充分に確保されていない場合が多く、予め有効にしておく必要がある | |
| VDI(Virtual Desktop Infrastructure) | HDDにデータが残らない | センターにトラフィックが集中しやすい ネットワークが繋がらないと何もできない |
| HDDの暗号化 | ネットワークが繋がらないスタンドアロンの状態でも、最低限の業務が継続できる | データはHDD上に残るため、紛失防止など、取扱には注意が必要 |
オフィスに近い環境を提供
在宅勤務は基本的に一人で仕事をするので、仕事をする上で他者とのコミュニケーションが不足しがちです。
上司や同僚とのコミュニケーションが困難になり、社員によっては孤独感や疎外感を感じてしまう場合も考えられます。また、必要な書類や資料をすぐに見つけられないといったささいな事が思わぬ業務の障害になるかもしれません。
オフィスにいれば当たり前すぎて、気にもならないことでも、在宅勤務になると課題となり得ます。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 電子メール | 相手の状況、時間を気にせず、メッセージを発信できる | 即座に連絡をとりたいときには向かない |
| インスタント メッセンジャー |
短いメッセージを、ほぼリアルタイムでやり取りができる | 会議やディスカッションなど、多くのメッセージをやり取りする用途には向かない |
| Web会議 (SaaS) |
導入コストが安い | アクセスが集中すると、混雑のためパフォーマンスの低下や通信断が発生し、必要なときに利用できないおそれがある |
| TV会議 (システム) |
基本の品質が高い。 緊急時においても可用性、品質を確保しやすい |
導入規模に応じたシステム設計が必要 |
| (Office Communicator) | 社員のプレゼンスを確認できる多様な連絡手段を利用できる | 導入・維持コストが高い |
ここに挙げたように、課題の解決には選択肢が複数存在します。
在宅勤務を実現する場合、用途や通信環境、ニーズ、ポリシーなどに応じて、様々なツールを選択し、組み合わせることが必要となります。
前述のとおり、テリロジーでは2008年頃からワークスタイルの改善を目的として様々なIT投資を行ってきました。当社の取扱製品を利用しているケースも多く、それらは有用な運用ノウハウや利用実績となっております。
- 何から始めればよいのか
- コミュニケーションで問題はないのか
- 見えない部下をどのように管理すればよいのか
- セキュリティ対策として何をすればよいのか
- 労働時間はどう管理すればよいのか
- 就業規則は変更する必要があるのか 等
このような点でお悩みの方は、以下のお問い合わせフォームから是非一度ご相談下さい。
豊富な事例を元に、ご検討の際に参考となる情報をご提供いたします。在宅勤務をお考えの皆様の一助となれば幸いです。








